対物保険を知って万が一の事故に対処しよう！対物保険について解説

車の運転を誤って、ガードレールや支柱や建物にぶつけることがあります。また、駐車場で正常に停車されている車に、思いかけず接触することもあります。そのようなときに、対物保険が役に立つのです。しかし、車の事故はそうそう起こるものでもなく、対物保険について詳しい方は多くないはずです。今回は対物保険について、わかりやすく解説します。

そもそも対物保険とは

対物保険は「対物賠償保険」または「対物賠償責任保険」を指し、一般的には自分が契約している車で事故を起こして、他人の車や物品を損壊させたり、傷つけたりした場合に補償される保険です。

具体的には、追突事故で前の車に追突してしまった場合の相手車の修理代や、修理期間中の代車や休業損害までが補償の対象になります。出会い頭の接触事故などで双方に責任が発生する場合は、責任割合に応じて対物保険が支払われます。ペットをはねた場合も、対物保険で治療費などが支払われます。さらに、線路内で電車と接触事故を起こした場合に発生する損害賠償責任額も補償されるのです。

 

自動車保険の種類

対物保険の紹介の前に、複雑な自動車保険について解説します。自動車保険は複数種類があり、大きく分けると自賠責保険（強制保険）と自動車保険（任意保険）の2種類です。最初にこの2つの保険についての解説です。

自賠責保険

自賠責保険は、車を所有すると強制的に加入する義務が発生します。自賠責保険は、交通事故の被害者保護を目的としている保険です。自賠法に基づき原動機付自転車を含む、すべての自動車が加入することを義務付けられています。

自賠責保険は事故が原因で歩行者や同乗者、他の自動車の搭乗者など他人を死傷させ法律上の損害賠償責任を負担する場合に、損害を補償します。注意すべき点は運転者自身が負ったケガや、他人の物品へ与えた損害は補償されません。

自動車保険

任意で加入する自動車保険は、自動車事故によるさまざまな損害を補償する保険です。他人の身体を傷つけたり、物品に損害を与えた場合に補償されたりする保険です。また、運転者や同乗者が被った身体のケガなどを補償する保険もあり、自分の自動車が被った損害を補償する保険もあります。

具体的な自動車保険の種類として、補償内容で分けると賠償責任保険・傷害保険・車両保険の3区分です。この3区分は自動車保険の中にこのような補償の区分が存在し、ケースバイケースで組み合わせて保険が給付されます。

賠償責任保険・傷害保険・車両保険

賠償責任保険の対人賠償は自賠責保険の保険金額では補償額が不足する場合に、超えた部分を補償します。一般的に上限を設けず、無制限とする方が多数です。また、対物賠償責任保険とは自動車事故により他人の物品に与えた損害に対し、法律上の損害賠償責任を負ったときに保険金が支払われます。

傷害保険は、加入者側の死亡やケガを補償する保険です。自損事故や無保険車との事故による死亡・ケガ・後遺障害から、加入者側の搭乗者の死傷などを補償するものです。最近は人身傷害保険があり、運転者と同乗者が受けた損害を、過失割合問わずに補償されます。車両保険は自分が所有している車に対する補償が受けられます。補償範囲は広く、交通事故による損傷だけでなく台風・火災・洪水・盗難・飛来物や衝突物による損傷まで補償される保険です。

 

対物保険が適用される範囲

対物保険の対物賠償とは具体的にどのようなものか紹介します。対物賠償保険に加入していれば、自分が起こした交通事故で他人の財産に損害を与え、賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。

注意すべきは、支払い対象はあくまで「他人の財産への損害」だけだということです。ただし、対物保険の対物賠償は「物品」だけに限りません。よくある対物の対象は相手の車や住居・塀・門・電柱・ガードレールなどを車で傷つけるケースが多くみられ、このような「直接損害」が補償の対象になります。

間接補償もある

さらに「間接損害」も補償されます。相手の車が商業用車両の場合は、車が使用できないことによる逸失利益の補償も対象です。さらに商業施設を壊したことで、営業ができない期間の逸失利益も補償されるのです。

対物補償については実際に事故が起きた場合、対物保険が適用される範囲は事故ごとに異なり細かく分類されるだけに事故の都度、各保険会社の担当者と入念に確認することをおすすめします。

対物保険で自分の車の補償は受けられない

対物保険の補償対象になる損害については、あくまで他人の物品に損害を与えた事故に対してのみ補償されます。そのため自分自身の車や、家族の物品に損害が生じた場合は補償対象外となり補償は適用されません。そのような場合に備えて車両保険への加入をおすすめします。

 

まとめ