雨の日の板金塗装を行うデメリット!塗装と湿度の関係性を解説

雨の日の板金塗装を行うデメリット!塗装と湿度の関係性を解説

板金塗装をお願いする日に雨が降っていたら、どう思うでしょうか。雨が降っている日に塗装は乾くのか、雨が塗装の邪魔をするのではないか、そもそも雨の日に板金塗装をするのは可能なのか。さまざまなことが疑問に思えてきます。しかし、会社員として勤務していたら、自由に休めるわけではありません。せっかく板金塗装をしたいのに休日の日のたびに雨が降っていたら、もやもやするでしょう。そこで今回は、雨の日に板金塗装をするときに知っておくべきことを解説します。

雨の日に板金塗装はできないの?

まず結論からお伝えすると、雨の日に板金塗装をすることは可能です。板金塗装の仕上がりは3つのポイントによって左右されます。その3つのポイントとは温度・湿度・露点のことです。温度が低い環境で板金塗装を行うと塗料が乾燥、硬化するのに時間がかかります。一言で塗料といっても、さまざまな種類の塗料があり、一定の温度よりも低い場合に乾燥しないものもあります。

次に湿度です。塗装ができる湿度の目安は約80〜85%以下です。湿度が高いと溶剤が揮発しにくくなり、乾燥に時間を要するだけではなく、仕上がりに問題が起こります。塗装が白く濁りやすくなるのです。最後に露点についてです。露点とは気体を冷やしていったときに結露が始まる温度のことです。その日の湿度と温度によって変動するのですが、塗装を施す車体に結露が生じていないことを確認しましょう。

以上3点が板金塗装の仕上がりに影響を与えるポイントです。つまり、雨の日だからといって板金塗装ができないわけではありません。湿度が高いと空気中を漂う埃や塵が少なくなり、塗装に汚れがつきにくくなるという効果もあります。多少の湿度は仕上がりや乾きをよくするのです。

 

雨の日に板金塗装をするデメリット

雨天時に板金塗装をするデメリットは以下の2つです。

  • 塗装が白く濁ってしまう
  • 乾燥まで余計に時間がかかる

それぞれ見ていきましょう。

塗装が白く濁ってしまう

湿度が高い状況で塗装をすると生じるのが白い濁りです。せっかく塗装を施した部分が、膜を張ったように白くぼけてしまいます。ご自分で車の塗装をしている場合でも、なぜ白く濁ってしまうのかと疑問に感じている人は多いよう。

通常であれば溶剤が揮発することで塗料は乾燥、硬化します。しかし、湿度が高い環境では溶剤が揮発しにくく、塗料に含まれるシンナーが蒸発し、白い濁りが生じます。とくに湿度が80%を超える環境は危険です。

塗装した後に工業用のドライヤーで熱を当てたり、磨きをかけたりすることで白い濁りは取れるのですが、それでも残る場合は上から塗りなおすしかありません。

乾燥に時間を要する

乾燥に要する時間は温度や湿度、露点によって変わります。気温が低く、湿度が高い場合は塗膜が形成されにくく、乾燥までにかかる時間は長くなります。一般的に塗装の作業は、塗料を吹きかけてから乾かし、再度塗する作業です。これを繰り返すため、乾燥に時間がかかると作業全体の時間はどんどん長くなっていきます。また、いくつかの車体を順番に入れ替えながら作業を行うため、雨天で屋外に車を出せない状況は、作業の長時間化を促します。乾燥に時間を要することで発生するトラブルは2つです。

乾きにくいと生じる乾燥のムラによって起こるのが色のムラです。そして、乾燥に時間がかかることで生じるもう1つのトラブルが液だれになります。磨くなどの対処が必要となり、基本的には塗りなおしが必要です。どちらも見栄えに大きく関わり、塗りなおしをすると作業時間が長くなります。車体に使用される塗料は一般に販売されておらず、複数の塗料を調合することで色を作ります。それだけ塗装は繊細な作業なのです。

 

自分で雨の日に板金塗装をするのは危険

ここまでご覧になれば、雨の日に板金塗装をするのは危険だとわかります。しかし危険はそれだけではありません。車の塗装に使用される塗料は大きく分けて2つあります。1つは有機溶剤が含まれているタイプで、もう1つは有機溶剤不使用または減少したタイプです。両方とも、空気に触れることで溶剤が揮発したり、水分が蒸発したりして硬化します。この硬化現象が一般的に乾燥と呼ばれるものです。乾燥不足は硬化不足と同義なのです。ボディを守る塗膜が十分に形成されないため、耐久性の低下につながります。

塗装には温度・湿度・露点が重要なポイントです。しかし、晴れている日でも気温や湿度はその日によってさまざまです。ご自身の手で塗装をすると、慣れていないという悪条件だけでなく、環境や天候によるトラブルにさらされてしまいます。ご自身で板金塗装をされる際は、その危険性もご理解のうえで塗装してください。

 

まとめ

雨の日に板金塗装できるかと聞かれたら、答えはできます。しかし正直にお伝えすると、メリットはほとんどなく、デメリットが圧倒的に大きいです。湿度が高いと塗装が白く濁る可能性は高くなり、乾燥不足を引き起こします。乾燥不足は塗装作業の長時間化を招くだけでなく、ボディの強度を下げることにつながります。

板金塗装をする際は1人でやろうとせず、ぜひともプロを頼ってください。「株式会社BSW」は測色機というコンピューター調色システムを導入し、車体の色合いのデータを起こすことでより正確な作業を心がけています。また、塗装ブースを完備することで、静電気を抑えてゴミなどの付着を激減させます。早めに塗装を済ませたい場合でも、まずはご相談ください。

 

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